隣家から越境した枝は切っていい?|民法改正後の対処法と注意点
隣の家の木の枝が、境界を越えて自分の敷地に伸びてきた──落ち葉が屋根や雨どいに溜まる、日当たりが悪くなる、車に触れそうで気になる。こうしたご相談は、庭木の手入れの現場で本当によくいただきます。「勝手に切ってしまってよいのか」と迷って、そのままにしている方も少なくありません。実は、越境した枝と根では法律上の扱いが違い、さらに令和5年の民法改正で対応の選択肢が広がりました。この記事では、越境した枝への正しい対処のしかたを、岡山県全域で伐採・剪定を手がける岡山伐採センターが解説します。
越境した枝と根では、扱いが違います
まず押さえておきたいのが、民法では「枝」と「根」が別々に定められている点です。同じように越境していても、対応のしかたが変わります。
枝と根の基本的な考え方
✓ 枝が境界線を越えてきたとき ─ 原則として、その木の所有者に切除させることになります
✓ 根が境界線を越えてきたとき ─ 越境された側が自分で切り取ることができるとされています
つまり、地面から下の「根」は自分で対処できますが、目に見えて気になりやすい「枝」のほうは、勝手に切ってよいわけではないというのが原則です。ここを知らずに切ってしまうと、かえって近隣トラブルの原因になりかねません。
令和5年の民法改正で、自分で切れる場合が加わりました
以前は、枝が越境していても、越境された側が自分で切ることは認められていませんでした。所有者が対応してくれない場合は、裁判で切除を求めるほかなく、負担が大きいという課題がありました。そこで令和5年4月1日に施行された改正民法では、原則は所有者に切除させるとしたうえで、一定の場合には越境された側が自分で切り取れることが定められました。
自分で枝を切除できるとされる3つの場合
✓ 木の所有者に切除するよう催告したのに、相当の期間内に切除しないとき
✓ 木の所有者を知ることができない、またはその所在が分からないとき
✓ 急迫の事情があるとき
「相当の期間」については、基本的に2週間程度と考えられているという説明がされています。3つ目の「急迫の事情」は、たとえば台風が近づいていて、折れそうな枝をすぐ処理しないと危ないといった、切迫した状況が想定されています。
なお、切除にかかった費用は、本来切る義務を負っていた木の所有者に請求できると考えられていますが、実際にどうなるかは個別の事情によります。金額や進め方でもめそうなときは、自己判断で進めず、弁護士などの専門家やお住まいの自治体の相談窓口に確認されることをおすすめします。
越境した枝で困ったときの進め方
法律のルールを踏まえると、実際の対応はおおむね次のような順番になります。いきなり切るのではなく、順を追って進めるほうが、結果的に近所付き合いを保ちやすくなります。
対応の手順の目安
✓ どこからどこまで越境しているか、写真を撮って状況を記録しておく
✓ 木の所有者に事情を伝え、切ってもらえないかお願いする
✓ 応じてもらえない場合は、いつ何を伝えたかが残る形で改めて依頼する
✓ 依頼したあとは、切除に必要な時間的余裕(相当の期間)を置いて相手の対応を待つ
✓ 所有者が分からない、応じてもらえないなど、自分で切る必要が出てきたら、切る範囲は越境した部分にとどめる
もうひとつ気をつけたいのが、枝を切るために隣の敷地へ入る場合です。越境した枝を切り取るために必要な範囲で隣地を使用できるとされていますが、その際はあらかじめ目的や日時、場所、方法を隣の方に知らせる必要があるとされています。また、住まいの中に立ち入るには居住者の承諾が要ります。黙って敷地に入るようなことは避けてください。
気をつけたいのは、境界を越えていない部分まで切ってしまうと、今度はこちらが責任を問われかねないという点です。切る範囲は必要最小限にとどめ、木そのものを弱らせるような切り方は避けましょう。切ったあとの枝の量は思った以上に多くなることもあります。処分の方法に迷ったときは、剪定と伐採のどちらが適しているかもあわせて考えると判断しやすくなります。庭木を伐採するか剪定するかの判断基準もご参考ください。
自分の木が隣に越境している場合はどうする
逆の立場になることもあります。自宅の庭木が育ち、気づかないうちに隣の敷地や道路にはみ出しているケースです。改正後は、催告に応じないままだと隣の方に切られてしまう場合があるほか、落ち葉や実の落下、枝が原因の事故などで責任を問われることも考えられます。
お隣から指摘を受けてから慌てるより、日ごろから定期的に手入れをしておくほうが、費用も気持ちの負担も軽く済みます。特に空き家や、遠方にお住まいで管理が行き届きにくい実家の庭は、数年で枝が大きく伸びてしまいがちです。定期的な手入れの考え方は剪定のページでもご紹介しています。
高い枝や大木の越境は、無理をせず業者へ
越境した枝が手の届く高さなら自分で対応できることもありますが、無理は禁物です。脚立の上でチェーンソーやのこぎりを使う作業は、体勢が不安定になり、転落やけがの危険があります。切った枝が落ちる先が隣の敷地や道路、駐車中の車であれば、物を壊してしまう心配もあります。近くに電線が通っている場合は、さらに慎重な判断が必要です。
また、大きく育った木は、枝を落とすだけでよいのか、幹から伐ったほうがよいのかの見極めも難しくなります。高所や大木が絡む越境は、装備と経験のある業者に任せたほうが、結果的に安全で確実です。傾いた木や高く伸びた木への対応は危険木伐採もあわせてご覧ください。
岡山で越境した枝にお困りなら岡山伐採センターへ
岡山伐採センターは、岡山県全域を対象に、庭木の剪定から伐採、危険木や大木への対応、切った木の処分までを一括で承っています。お隣との境界にかかる枝は、どこまで手を入れるかの判断が難しいところですので、まずは現地を拝見したうえで、必要な作業をご提案します。現地見積もりは無料です。木が1本だけのご依頼から、空き家や遠方の実家の庭の管理まで、お気軽にご相談ください。