切り株にシロアリは来る?放置のリスクと抜根・対策の考え方|岡山
庭木を切ったあとに残った切り株。「そのうち朽ちるだろう」と置いておいたら、表面がぼろぼろになってきた、近くで羽アリを見かけた——そんなとき気になるのが「切り株にシロアリが来ていないか」「家まで広がらないか」ということではないでしょうか。
この記事では、岡山県全域で伐採・伐根を行う岡山伐採センターが、切り株とシロアリの関係を公的機関の資料をもとに整理し、切り株を見るときのポイント、シロアリが見つかったときの相談先、切り株を撤去する「抜根」の考え方をまとめます。なお、当社はシロアリの駆除(薬剤による防除)は行っていません。駆除が必要な場合は、シロアリ防除の専門業者にご相談ください。
切り株にシロアリは来るのか
シロアリは、家の中だけにいる虫ではありません。さいたま市のページでは、シロアリ類について「シロアリ類の大部分の種類は野外で生活しますが、一部の種類は木造建築物などを加害します」と説明されています。
実際に、切り株でシロアリが見つかった記録もあります。北海道立林産試験場の「林産試だより」2003年4月号では、北海道の名寄で行った調査について、食害が見られたのは「マツ類の切り株や立木,サクラの立木,その他杭材や放置された板材等」で、腐朽した切り株や立木の樹皮をはがすと、多数の職蟻や兵蟻、蟻道が見られたと報告されています。
同じ資料は、ヤマトシロアリについて「通常ヤマトシロアリは,湿った木材中で生活しています」とし、「木材が腐朽するような環境では,シロアリによる食害も受けやすいのです」と述べています。伐採後の切り株は、地面に接したまま雨にさらされ、時間とともに腐朽が進みます。切り株がシロアリのすみかや餌場になりうるのは、こうした性質によるものです。
ただし、切り株があれば必ずシロアリが来る、切り株にシロアリがいれば必ず家が被害を受ける、というわけではありません。逆に、切り株を抜けば家のシロアリ被害を防げる、というものでもありません。切り株は、家の近くにある、シロアリが好む条件の木材の一つとして考えるのが現実的です。
家の周りで問題になる主なシロアリ
東京都保健医療局のページでは、住宅で主に問題となるシロアリとして、アメリカカンザイシロアリ、ヤマトシロアリ、イエシロアリが挙げられています。このうち、地面から入ってくるタイプで、切り株との関係を考えるうえで知っておきたいのはヤマトシロアリとイエシロアリです。
ヤマトシロアリ
同じページでは「ヤマトシロアリは、日本全国に広く分布している代表的なシロアリです」とされ、水を運ぶ能力がないため常に湿った環境を必要とすると説明されています。羽アリが飛ぶのは「主に4~5月の雨上がりで、晴れた風のある日の昼間」です。さいたま市のページでも、1つの群れは1万から3万匹で構成され、水回りの床下や植木棚などに被害が多くみられるとされています。
イエシロアリ
東京都のページでは、イエシロアリは大規模な集団を形成して木材に被害を与えるため、住宅や建物に深刻な被害を与えることがあると説明されています。また、水を運ぶ能力があり、木材を湿らせながら加害するとされています。羽アリは「主に6月~7月頃の夕方に多く、夜間にも飛翔することがあります」とされています。
お住まいの地域にどの種類が多いかは、地域や環境によって異なります。家の近くで羽アリを見かけた場合、種類の見極めも含めて専門業者に確認してもらうのが確実です。
切り株を見るときのチェックポイント
シロアリは光や風を嫌うため、外から姿が見えにくい虫です。さいたま市のページでは、ヤマトシロアリは「光や空気の流れを嫌い、明るいところでは行動せず」、蟻道(ぎどう)というトンネルの内部や木材の内部を移動して生活すると説明されています。切り株や家の周りでは、次のような点に目を向けてみてください。
- ✓ 切り株の表面や根元に、土でできたトンネル状の筋(蟻道)がないか
- ✓ 樹皮が浮いていたり、押すとやわらかく崩れたりするほど腐朽が進んでいないか
- ✓ 羽アリの時期(種類や地域によって異なります)に、切り株や家の周りで羽アリがまとまって飛んでいないか
- ✓ 建物の基礎の外側に、蟻道のような筋がついていないか
- ✓ 切り株のほかにも、杭や板材、伐採した木などを家の周りに置いたままにしていないか
北海道立林産試験場の資料では、蟻道について「基礎コンクリートの壁面等にこの蟻道を発見したら,シロアリの存在を疑ってください」としています。切り株で何かを見つけたときは、切り株だけでなく、建物の基礎まわりもあわせて見ておくと安心です。
羽アリがアリかシロアリかを見分けるには
羽アリを見かけても、それがシロアリとは限りません。さいたま市のページでは、アリとシロアリの違いとして次の点が挙げられています。
| 見る所 | アリ | シロアリ |
|---|---|---|
| 胸と腹の間 | くびれている | くびれていない |
| 触角 | くの字型 | 数珠状 |
| 翅(はね) | 前翅が後翅より大きい | 前翅と後翅の大きさが同じ |
見分けに自信がないときや、数が多いときは、無理に追い払ったり切り株を崩したりせず、専門業者に見てもらいましょう。
シロアリが見つかったら、まず誰に相談するか
東京都保健医療局のページでは「シロアリ駆除は、個人で対策するのは困難であるため、専門の業者に依頼することをおすすめします」とされています。切り株や家の周りでシロアリらしきものを見つけたときは、次の順番で考えると迷いにくくなります。
1. 家に被害が出ていないかを、シロアリ防除の専門業者に確認してもらう
大切なのは、切り株よりも建物のほうです。床下の点検や、必要な場合の薬剤による防除は、シロアリ防除の専門業者の仕事です。当社は駆除・防除の作業は行っていません。
2. 切り株を残すか、撤去するかを決める
専門業者の点検の結果や、今後の土地の使い方をふまえて、切り株をどうするかを決めます。切り株の撤去(抜根)が必要になった場合は、当社にご相談ください。賃貸住宅や借地の場合は、先に所有者や管理会社にご相談ください。
3. 家の周りに木材を置きっぱなしにしない
東京都のページでは、ヤマトシロアリなど湿気を好むシロアリの対策として「家の周囲に木材などを放置しないようにし、床下などは通気をよくするなど、常に湿気がないように心がけましょう」としています。北海道立林産試験場の資料でも、床下の換気や結露・水漏れへの配慮、床下や基礎の外側周辺に落ちている不要な木片などの除去、必要に応じた薬剤処理、定期的な点検が大切だとしています(薬剤処理は専門業者の仕事です)。切り株だけでなく、伐採した幹や枝、古い杭や板材を家のそばに積んだままにしていないかも見直してみてください。
切り株を撤去する「抜根」という選択
切り株を地面から掘り起こして取り除く作業を、伐根・抜根といいます。シロアリの面から見ると、抜根は、家の近くにある湿って腐りやすい木材を減らすための一つの方法です。先に書いたとおり、抜根だけで建物のシロアリ被害を防げるわけではありませんが、次のような場合は撤去を検討する価値があります。
- ✓ 切り株が建物の近くにあり、腐朽が進んでいる
- ✓ 切り株のまわりで蟻道や羽アリを見かけた(建物の点検は専門業者へ)
- ✓ 庭をこれから駐車場や花壇などに使う予定がある
- ✓ 切り株から芽が出て、また伸びてきている
掘り出した根や木片は、家の近くに残さない
抜根で掘り出した根や切り株は、大きくて重いため、庭の隅に置いたままにしたくなるかもしれません。しかし、東京都のページにある「家の周囲に木材などを放置しない」という考え方からすると、家の近くには残さず、持ち出して処分すると安心です。当社の伐根・抜根では、重機(ユンボ等)が入る場所では効率よく根株を掘り起こし、入れない狭い場所では手作業で根を取り除きます。抜根後は穴を埋め戻して整地し、掘り起こした根や残土の処分まで一括で対応しています(処分費は、下の抜根の1本あたりの料金とは別になります)。
抜根の費用の目安
当社の料金・明朗会計の約束に掲載している抜根の料金の目安(税込)は、次のとおりです。
| 抜根(幹の太さ別)/1本あたり | 料金の目安(税込) |
|---|---|
| 細い(直径〜30cm) | 5,000円〜 |
| 中(直径30〜50cm) | 10,000円〜 |
| 太い(直径50cm以上) | 25,000円〜(要現地見積り) |
実際の費用は、根の大きさ・本数、重機が入れるかどうか、処分量などで変わります。処分費などの付帯作業は1本あたりの料金とは別になりますので、無料の現地調査のうえでお見積りします。追加が必要になった場合も、必ず事前にご説明し、ご了承をいただいてから進めます。切り株を放置したときに起こりやすいことや、抜根の判断の全体像は切り株を放置するとどうなる?伐根・抜根が必要な理由と費用でまとめています。
よくあるご質問
Q. 切り株にシロアリがいたら、家にもいるということですか?
そうとは限りません。ただ、家の近くにシロアリがいる手がかりにはなります。建物に被害が出ていないかは、シロアリ防除の専門業者に点検してもらってください。
Q. 切り株にシロアリがいる状態でも、抜根をお願いできますか?
ご相談ください。建物の点検や駆除は専門業者に、切り株の撤去は当社に、と分けてご依頼いただく形になります。専門業者から切り株について指示を受けている場合は、ご相談の際にお知らせください。
Q. これから木を伐採します。切り株は残したほうがいいですか?
土地の使い道や切り株の位置によります。伐採と同時に抜根まで行うと、作業の段取りが一度で済みます。地際で切るだけにするか、根まで撤去するかで迷う場合は、現地を見てご説明します。
Q. シロアリの駆除もお願いできますか?
当社ではシロアリの駆除・防除は行っていません。シロアリ防除の専門業者にご相談ください。当社がお手伝いできるのは、木の伐採や、切り株・根の撤去と処分、整地です。
出典:東京都保健医療局「シロアリ」(読み物・パンフレット)/さいたま市「建材を食べる害虫『ヤマトシロアリ』」(2021年1月19日更新)/北海道立林産試験場「林産試だより」2003年4月号「道北地域におけるシロアリの生息状況」(いずれも2026年10月閲覧)。本記事では各資料の内容を要約・編集して紹介しています。