電線・隣家・道路に近い木の伐採|事前に必要な確認と段取り|岡山
「庭の木が電線に届きそう」「隣の家の屋根に枝がかかっている」「道路にはみ出して車に当たりそう」。伐採のご相談で多いのが、この「何かに近い木」です。
同じ1本の木でも、周りに何があるかで作業の難しさは大きく変わります。倒す方向が取れなければ上から少しずつ切り下ろすことになりますし、着手する前に連絡や許可が必要になる場合もあります。この記事では、電線・隣家・道路の3つのケースについて、依頼する前に知っておいていただきたいことを整理します。
木が「何に近いか」で、必要な段取りが変わります
広い場所に立っている木なら、根元から切って倒すのがいちばん安全で早い方法です。ところが周囲に電線や建物があると、そのまま倒すことができません。
そのため、次のような手順に切り替わります。
- 上から順に切り下ろす……幹を短く分割し、ロープで吊りながら下ろしていきます
- 倒す方向を作る……先に枝を落として重心を変え、狭い方向へ確実に倒せるようにします
- 養生と誘導……ブロック塀や車、通行する人を守るための準備をします
作業の手間が増えるぶん、費用も時間も変わります。費用が何で決まるかは木の伐採費用は何で決まる?で詳しくご説明しています。
電線に近い木は、絶対にご自分で切らないでください
電線のそばは、触れるかどうかだけで判断できません
家庭の庭木のそばを通っているのは、多くの場合、電柱に架かる配電線です。中国電力ネットワークは配電線について「配電線には、特別高圧(2万2,000V)、高圧線(6,600V)と低圧線(200Vまたは100V)があり、直接触れることはもちろん、クレーンや足場の接触を介して感電災害および停電事故につながるおそれがあります」と説明しています。
金属製の脚立や、伸縮する高枝切りバサミも、電線に触れれば同じ経路になります。切った枝が落ちるときに電線へ引っかかることもあります。感電は本人だけの問題では終わらず、周辺一帯の停電につながることもあります。
さらに鉄塔に架かる送電線については、「送電線付近でクレーン車等の重機を使用して作業する場合には、ブームなどが電線に接触しなくても、接近するだけで電気が流れて生命にかかわる重大な感電災害や停電事故が発生することがあります」と、触れなくても危険がある旨が案内されています。同社は注意が必要な作業の例として「樹木の伐採作業」も挙げています。
まずは電力会社に連絡を
枝が電線に触れている、触れそうだという場合は、まず電力会社へご連絡ください。中国電力ネットワークは、送電線付近で「クレーン車による建築、造園、くい打、樹木伐採、索道架設などの作業をされる場合」について、「施工時や航行時はもちろんのこと、計画段階でお知らせください」と案内しています。
なお、電線路に障害を及ぼし、または及ぼすおそれがある植物について、電気事業者が経済産業大臣の許可を受けて伐採・移植を行える仕組みが電気事業法第六十一条に定められています(その手続は経済産業省「電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」(令和2年6月)に示されています)。ただしこれは電気事業者の側の制度で、お住まいの木がその対象になるとはかぎりません。どこまでを電力会社が対応するかは、電線の種類や木の状況によって変わりますので、実際の取り扱いは連絡した際にご確認ください。
業者に頼む場合も、事前の調整が必要になります
電力会社の対応範囲に入らない木や、敷地内の木そのものを伐採したい場合は、伐採業者の作業になります。その際も、電線への防護管の取り付けや、一時的な停電の調整が必要になることがあります。これらは当日いきなりできるものではなく、事前の連絡と日程調整が要ります。
防護管については、中国電力ネットワークが「防護管施工会社のHPからお申込みください」と案内しており、「2020年10月1日以降のお申込み分からは工事費用をご負担いただき、防護管施工会社に費用をお支払いただきます」とされています。電力会社が無償で行うものではない点は、あらかじめ知っておいてください。
ご依頼をお受けする際は、現地で電線との距離や種類を確認し、そうした手配が必要かどうかをご説明します。どの手配を誰が行うかも含めて、現地でご相談しながら決めますので、まずは状況をお知らせください。危険な位置にある木の考え方は危険木の伐採、高所での分割作業については特殊伐採のページもご覧ください。
隣家に近い木は、枝と作業スペースの2つが問題になります
越境した枝の扱い
自分の木の枝が隣の敷地へ伸びている場合と、隣の木の枝が自分の敷地へ入ってきている場合とでは、対応が変わります。枝の切除については民法にルールがあり、2023年4月に改正が施行されています。詳しくは隣家から越境した枝は切っていい?でご説明していますので、そちらをご覧ください。
ご自分の木が越境している場合は、ご近所とのやり取りが必要になる前に切っておくほうが、結果的に穏やかに収まることが多いように思います。
作業には、隣地の協力が必要になることがあります
境界ぎりぎりに立っている木は、切った枝や幹が隣の敷地側へ落ちる可能性があります。梯子や機材を一時的に隣地側へ置かせていただく必要が出ることもあります。
そのため、作業日が決まった段階で、お隣へ一声かけておいていただくと当日がスムーズです。音や車両の出入りもありますので、事前に伝えてあるかどうかで印象が変わります。ご依頼者様からお伝えいただくのが基本ですが、必要に応じてこちらから作業内容をご説明することもできます。
道路に近い木は、通行の安全と許可の問題があります
はみ出した枝は、管理する側の問題になります
道路へ張り出した枝は、通行する車や歩行者、傘をさした方に当たることがあります。カーブミラーや標識、街灯を隠してしまうこともあります。敷地内の木である以上、その管理は所有者側の話になりますので、気づいた時点で早めに手を打っておくほうが安心です。
道路上で作業するときは、警察署長の許可が必要です
道路交通法第七十七条は、「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」について、その場所を管轄する警察署長の許可を受けなければならないと定めています。いわゆる道路使用許可です。
高所作業車を道路に停める、道路側から幹を吊り下ろすといった作業では、この許可や交通誘導の手配が必要になる場合があります。許可が必要かどうかは現場の状況によって変わりますので、見積りの段階で確認し、必要であれば、どのような手続きが要るかも含めてご説明します。
見積りのときに伝えていただきたい4つのこと
次の点が分かっていると、現地に伺う前におおよその段取りを組み立てられます。
- 木の近くに何があるか……電線、隣家の屋根や壁、ブロック塀、車庫、道路
- 木の高さと太さの目安……建物の何階分か、幹を両手で回せるか、程度で構いません
- 作業する側の入り口の広さ……軽トラックが入れるか、機材を運べる通路があるか
- 切った木をどうしたいか……処分まで任せたいか、薪などに使うため残したいか
スマートフォンで撮った写真を数枚いただけると、より具体的にご説明できます。ご自分で切るかどうか迷っている方は、DIY伐採のリスクと費用もあわせてご覧ください。
岡山伐採センターにご相談ください
岡山伐採センターは、岡山県全域で庭木の伐採・剪定・危険木の伐採を手がけています。電線や隣家、道路に近くて手が出せない木こそ、私たちにご相談いただきたい木です。現地見積もりは無料で、1本からお受けしています。
費用の考え方は料金のページでご確認いただけます。
出典:中国電力ネットワーク「電気事故防止に関するお願い」および同「送電線(鉄塔)付近での作業」「配電線(電柱)付近での作業」/経済産業省「電気事業法第61条に基づく植物の伐採等に関する指針」(令和2年6月)/電気事業法第六十一条・道路交通法第七十七条(いずれも2026年8月時点)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。電力会社の窓口・手続は各地域の送配電会社によって異なりますので、岡山県外の方はお住まいの地域の送配電会社にご確認ください。